ボートとデータ
2026-05-16お知らせアップデートイロレーティング

イロレーティングについて【新機能】

 「この選手、勝率は高いのに、なんとなく強そうに見えない…」と感じたことはないでしょうか。

 実は、勝率という指標には見落とされがちな欠点があります。そこで今回、本サイトに新しい指標「イロレーティング」を導入しました。チェスやオンラインゲームのランク計算でも使われている、実績ある実力測定の手法です。

 このページでは、勝率との違いから始まり、サイト上での見方・予想への活かし方まで、順を追ってご説明します。

📋 この記事でわかること

  • ボートレースの勝率は着順点を積み上げて計算されるが、対戦相手の強さを考慮しないため「誰に勝ったか」が反映されない欠点がある。
  • イロレーティングはチェスやオンラインゲームでも使われる実力評価の仕組みで、格上に勝つほど大きく評価が上がり、格下に負けるほど大きく下がる。
  • 実際の成績を使った具体例で、着順だけでは見えない「強豪相手の善戦」や「格下相手の楽勝」を見分ける方法を紹介。

📖 読了時間の目安:約5〜10分


従来の勝率

わかりやすいけれど、見えないものが…

 ボートレースの勝率は、レース結果に応じて付与される「着順点」を使って計算されます。1着なら10点、2着8点、3着6点、4着4点、5着2点、6着1点が基本の着順点で、これをすべての出走レースで積み上げ、出走回数で割った値が勝率です。また、SG競走ではさらに各2点増し、G1・G2競走では各1点増し、各優勝戦ではさらに1点増しと設定されているため、記念レースへの出場が多い選手ほど加点されやすい仕組みになっています。

 計算方法がシンプルでわかりやすく、選手の実力を比較するための代表的な指標として長く使われてきました。半期ごとの級別計算にも使用されていておなじみの値ですね。

 しかしながら、勝率には見落とされがちな欠点があります。それは、「対戦相手の強さをまったく考慮していない」という点です。着順点はどんな相手に対して何着を取っても同じ点数が付与されるため、「格上の強豪に競り勝った1着」と「格下ばかりのレースでの楽な1着」が同じ10点として扱われます。

 例えば、A選手とB選手の全国勝率が同じ値だったとします。しかし、A選手はSG・G1クラスの強豪と戦い続けてきた結果の数値で、B選手は一般戦でB級選手を相手に積み上げた数値だとしたら、果たしてふたりの実力は同じといえるでしょうか。

 数字の上では同じでも、その重みはまったく異なります。勝率だけを指標にしていると、「強い相手に勝ち続けてきた実力者」と「楽な条件で数字を積み上げてきた選手」を同じ土俵で比べてしまうことになります。この問題を解決するために導入したのが、イロレーティングです。


イロレーティングとは

オンラインゲームのランク計算と同じ仕組み

 イロレーティングは、チェスの世界で生まれたレーティングシステムです。現在では将棋・囲碁のほか、オンラインゲームのランク計算にも広く採用されており、若い世代の方にはなじみ深い仕組みではないでしょうか。

 オンラインゲームのランクマッチで体験したことがある方は、こんな場面を思い出してみてください。ダイヤモンドランク(上位)のプレイヤーが、ブロンズランク(下位)のプレイヤーを相手に勝利しても、ランクはほとんど上がりません。「強い人が弱い人に勝つのは当然」とシステムが判断するからです。

 逆に、ブロンズのプレイヤーがダイヤモンドのプレイヤーを倒せば、ランクが大きく上昇します。「格上を倒した」という高い評価が与えられるからです。

 イロレーティングの仕組みは、まさにこれと同じです。

  • 格上の相手に勝つ → レーティングが大きく上がる
  • 格下の相手に勝つ → レーティングはあまり上がらない("勝って当然")
  • 格上の相手に負ける → レーティングはあまり下がらない("負けても仕方ない")
  • 格下の相手に負ける → レーティングが大きく下がる

 このように「誰に勝ったか・誰に負けたか」を考慮することで、勝率では見えにくかった選手の相対的な実力が浮かび上がってきます。


ボートレースへのイロレーティング適用

コース別の有利不利には注意

 本サイトでは全選手の初期値を 1500 に設定しており、レースが終わるたびに値を更新しています。SG・G1・一般戦といったグレードによる補正は行わず、「誰に勝ったか」だけを基準に評価しているため、記念レースと一般戦を同じ土俵で比較しています。

 具体的なイメージとして、1着になるとそのレースの相手の強さに応じてポイントが移動します。例えば、レーティング1720(ダイヤモンド)の選手と1380(レギュラー)の選手が同じレースに出走し、レギュラー選手が上位に入った場合、「期待値以上のパフォーマンスだった」と判断され、レギュラー選手のレーティングが上昇し、ダイヤモンド選手のレーティングは下降します。この計算を対戦した全選手の総当たりで行っています。

 ここで、ひとつ大切な注意点があります。本サイトのイロレーティングは、コース別の有利・不利を補正していません

 ボートレースではインコース(1コース)が有利で、アウトコース(6コース)は不利な構造になっています。そのため、インコースの選手はおのずと着順が高くなるため実力以上にレーティングが高くなりやすく、外枠が多い選手は実力が高くても低めに出やすい傾向があります。過去10走データなどを見る際は、外枠の選手のレーティングは、実際の実力よりも低く計算されていることがある、という前提で見ていただくことをおすすめします。


予想への活かし方

 ここからは、実際のサイト上でイロレーティングをどのように確認し、予想に活かすかを説明します。

① コース別過去10走 ─ ランクバッジの色を確認する

 「コース別過去10走」の各列には、選手の現在のイロレーティングがランクバッジとして表示されます。バッジには数値が直接表示され、色によってランクをひと目で把握できます。

 ランク分けは以下のとおりです。

ランクレーティングの目安バッジの色
レジェンド1800以上黒地・赤文字
ダイヤモンド1700〜1799水色
ゴールド1600〜1699金色
シルバー1500〜1599銀色
ブロンズ1400〜1499ブロンズ
レギュラー1400未満

 初期値はシルバーランクの下限にあたる1500からスタートします。そのため、新人選手や長期離脱明けの選手はレース数が少なく実力をレーティングに反映できていないため、他のデータと合わせて参考程度に見ておくとよいです。

コース別過去10走にランクバッジが表示されている画面

② 各成績に表示される矢印 ─ 着順の「重み」を読む

 出走表とコース別過去10走の各成績の下には、そのレースでのレーティング変動量(ΔR)を示す矢印が表示されます。

矢印レーティング変動量表示色
+15以上
+10以上
変動小(±10未満)灰色
−10以下
−15以下
各成績の下に矢印が表示されている出走表のスクリーンショット

 この矢印が特に役立つのは、「その選手の持つ着順がどれだけ意味のある着順なのか」を分析するときです。

 高ランクの選手が良い着順を取っていたとしても、対戦相手が格下ばかりであれば矢印は→(変動小)のままです。「強い人が弱い人に勝つのは当然」という評価になるためです。一方、低ランクの選手が低い着順に終わっていたとしても、1着〜3着が全員ダイヤモンド・レジェンドクラスであれば、矢印は→〜↗になることがあります。「強豪ばかりの中で善戦した」という評価がなされるからです。

 つまり矢印を見ることで、「この選手は今どんな相手のレースで、どれだけのパフォーマンスを出しているのか」をひと目で判断できます。前走が4着(2勝3敗)でも矢印が↗であれば、次走で相手が軽くなったときには要注意の一艇になります。


③ 「R」列 ─ コース別のレーティング合計値

 コース別過去10走の一番右端にある「R」は、そのコースでの直近10走分のレーティング変動の合計値です。

 Rがプラスに大きいほど「そのコースで強い相手に対して好パフォーマンスを続けてきた」ことを示し、マイナスに大きいほど「そのコースでは実力以下の走りが続いている」と読み取れます。単純な着順平均では見えにくい、コース別の実質的な強さを測る指標として活用してみてください。

「R」列が確認できるコース別過去10走のスクリーンショット

④ 実際の成績を使った具体例

 ここで、具体的な成績を使ってイロレーティングの読み方を見てみましょう。

【例①】ダイヤモンドランクのA選手(レーティング約1720)

 A選手はコース別過去10走で4回の1着を含む好成績を残しています。着順だけ見れば「絶好調」に映るかもしれません。しかし矢印を確認すると、多くが→(変動小)になっています。なぜなら、出走したレースの対戦相手の多くが格下のクラスだったためです。「格上として当然の成績」という評価がなされ、レーティングはほとんど上がっていません。

高ランク選手が1着でも矢印が変動小(→)になっている成績例

【例②】レギュラーランクのB選手(レーティング約1380)

 B選手は直近10走で3〜6着が続いており、着順だけ見ると「あまり成績が良くない」ように映ります。しかし矢印を確認すると、→〜↗が並んでいます。これは、対戦相手に格上の強豪が多く含まれていたためです。「格上の中で実力を出し切った結果」、「格上ばかりのなかで勝てなくて仕方なかった」という評価がなされており、レーティングはほとんど下がっていません。

低ランク選手が低い着順でも矢印が→〜↗になっている成績例

 このように着順だけで選手の調子を判断するのではなく、ランクバッジと矢印を合わせて読むことで、より深い選手分析が可能になります。


まとめと注意事項

 イロレーティングは、勝率では見えにくかった「相手の強さを考慮した実力値」を可視化する指標です。ランクバッジと矢印を組み合わせることで、「この選手の着順には、どれだけの価値があるのか」を判断する新しい視点が生まれます。予想の精度アップに役立てていただけると嬉しいです。

 最後に、いくつか注意事項をお伝えします。

  • 初期値は1500(シルバー):新人選手や久々に復帰する選手も1500からスタートします。実績のある選手が復帰直後の場合は実際の実力よりも低く表示されることがあり、逆に新人選手は強豪と戦う前はシルバーのまま表示されます。この点を念頭に置きながら、他のデータと合わせて判断するようにしてください。
  • 予告なくリセットの可能性あり:システムの仕様変更などにより、予告なくレーティングをリセットする場合があります。
  • コース別の有利・不利は未考慮:インコースほど高い値が出やすい傾向があります。

 ぜひイロレーティングを使いこなして、自分流の予想スタイルをさらに深めてみてください。